仏の徳と行に帰依したてまつる(徳行品第一)
わたくしは、このように聞いております。
お釈迦さまが王舎城の霊鷲山にいらっしゃった時のことです。静かにお坐りになっておられるお釈迦さまのお側にはたくさんの出家修行者や菩薩たちがいならび、一方には空の上や海の底などに住む鬼神たちも席につらなっていました。おおぜいの僧や尼僧が別々に整然とひかえている隣には、在家の修行者たちもつめかけています。また、大王や小王・諸国の国王・王子・その家来たちをはじめとして、あらゆる階級の人々が聴聞のためにぎっしりと周りに集まってまいりましたが、すべての人が、まず世尊(お釈迦さま)のみ足に額をつけて礼拝し |