相手の美点を見る眼(まなこ) 庭野日敬 だれしも、自分がほめられることほどうれしいことはないのに、人をほめるのは、あまり好きではないようなのですね。 「どうしたら開祖のように人の欠点を見ず、よいところだけを見られるようになるのですか」と、よく尋ねられるのですが、人の欠点ばかりが見えてしまうというのは、相手と張り合う気持ちが強すぎるからではないかと思うのです。 弱みを見せまい、負けてなるものかと、自分を守ることで精一杯なのではないでしょうか。 私は、そういう無理ながんばり方をしないのです。 自分よりすぐれた人には、すぐにシャッポを脱いで教えを請う。みんなが、仏さまの子ども同士なのですから、張り合ってみてもなんの意味もないのですね。 そういう考え方で、自分をがんじがらめにしている自己防衛の心から解き放たれると、おのずと心のゆとりが生まれ、相手の美点が見えるようになってくるのです。 それが慈悲の眼です。 たとえば、お姑さんとお嫁さんが、この心のゆとりを持つことができたら、毎日がガラリと変わってしまいます。人を心からほめられるようになる秘訣は、そこにあると思うのです。 |
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