数々の大果報 庭野日敬 九つ満ち足りて、一つ不足なだけでも、その不足不満ばかりを言い立てる。自分を省みてつくづくそう思う、と三浦綾子さんが書いておられました。 今年も一年が終わろうとしています。 この一年を振り返って、「今年もいいことはなかった」と嘆くのでなく、どれだけのものを与えてもらってきたか、数え上げてみようではありませんか。 健康で、大過なく過せたことだけでも、よくよく考えると大果報なのです。 夫婦の間で、親子の間で、上司と部下の間で、不足ではなく、与えられた幸せのほうを数え上げてみたいものです。 その感謝の心への切換えは、与える喜びを知ることにあります。 与えられることばかり求めていると、どんなに恵まれても不足を感じるのですが、人さまに与えられる人になると、わずかしか持っていなくても満足していられるのです。 「諸法は心よりなる。 影が形に従いて離れざるが如し」 と、『 |
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