人づくりの(かなめ)  庭野日敬  (1998年、平成10年)

 国の経営も、企業の経営も、どんどん厳しさが加わってきて、そのためか、上杉鷹山(うえすぎようざん)公の話がテレビや雑誌でしばしば取り上げられるようになりました。

鷹山公は、破綻寸前の米沢藩をみごとに立ち直らせた殿さまです。先日も、その鷹山公の生い立ちから藩建て直しの苦難の道をテレビが伝えていましたが、鷹山公の藩建て直しの要は人づくりにあったことが、よく分かります。

鷹山公は「冷えた灰の中にも探せば火種がある。やる気のある者は、自分の胸に火をつけよ。それを人に移せ」と説いて、人々に目標と働き甲斐(がい)を植え付けていったのでした。

 人は前途に見通しを持ち、自分のなすべきことを知ると、どんな苦難にも耐え、それを乗り越える力を奮い起こします。

 私の小学校時代、校長先生が

  「なせばなる、 なさねばならぬなにごとも、 ならぬは人のなさぬなりけり」

 という格言を大きな字で書いて教室の柱に貼ってくれ、それをみんなで何度も何度も暗証(あんしょう)して覚えた ものでした。

のちに上京して、行商でヘトヘトになったときも私はそれを口ずさんで自分を励ましたものでしたが、それが鷹山公が()まれた歌だったのです。
人生の応援歌

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