戒律が身を守る   庭野日敬  (1997年、平成9年)

 仏教の教えでどうして人が幸せになれるのかというと、その基本は、仏さまの(いまし)めを守ることにあります。

 殺生(せっしょう)をしない。盗まない。浮気や不倫をしない。うそを言わない。酒にのまれない。

まず、この五戒を守るのがその出発点です。

 そう言うと、「あれをしてはならない、これもしてはならないと縛られてしまうから信仰は嫌いなんだ」という人がいるのですが、仏教の戒律は、人をがんじがらめにするものではありません。逆に、その人を守るためのものなのです。

 いま、若い人のあいだでスキーが大はやりですが、スキーでゲレンデを滑るのには両足に長い板をつけなくてはなりません。初めのうちはまことに不自由ですが、その長い板を自由に(あやつ)れるようになると、雪の上を自由自在に滑走できて、こんな爽快(そうかい)なことはありません。

 仏教の戒律も人に強制されるのではなく、自発的に反復してそれを身につけてしまうと、誘惑に引きずられたり、うまい話に引っかかったりすることがなく、いつも自由自在(じゆうじざい)に振る舞いながら、思う存分に人生が楽しめるようになるのです。
人生の応援歌

お話の一覧をフレームで見る
  





















SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送