宗教は人間のためのもの  庭野日敬  (1973年、昭和48年)

 キリスト教ではさまざまな奇跡が語られますが、それが信じられないという人もいます。作家の椎名麟三(しいなりんぞう)さんはキリスト教の信仰を持ったクリスチャンですが、「一切の奇跡が人間でないもの、つまり神だからこそできたという答え方は、簡単すぎて答えになっていない。人間をいきなり飛び越えて神を持ってくるのは、答えとして楽であるがそれでは信じる努力などいらないことになる」と言われています。

 イエス・キリスト自身も「安息日は人間のために設けられたのであって、安息日のために人間があるのではない」と教えられています。つまり宗教は神のためでなく、人間のためにあると受け取っていいでしょう。

 仏教も、あの世のことではなく、毎日の生活をどう生きるのが正しいのか、どう生きれば本当の幸せが約束されるのかを、具体的に示しているところに存在価値があるわけです。

 たとえば、食事をいただく心構え、人さまに対する心の持ち方、いまの時代に最も必要な節約の心など、なぜそれが大切なのかを教え、その実践の道を示すのです。
日常生活を離れて仏教があるのではありません。
人生の応援歌

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