朝のこない夜はない 庭野日敬  (1971年、昭和46年)

 「朝のこない夜はない」と言います。人生は(やみ)だなどと思い込まず、闇の夜のあとには必ず朝がくることを信じてがんばろう、という励ましの言葉です。暗い夜があるからこそ、明るい朝を迎える喜びがあるのと同じに、悩み苦しみがあるからこそ、救われる喜びがあるのです。

 人はよく「暑いのと寒いのと、どちらが好きか」といった質問をしますが、これも、暑いところで汗を流して仕事をすればこそ涼しさのありがたみが分かり、寒さにさらされてこそ太陽の暖かさがありがたく感じられるわけです。私たちはよく、なんの苦労もなく毎日を過ごしている人をうらやんで、「私も、ああいう身分になりたいものだ」などと考えますが、じつは、苦しみを通らないと本当の喜びは味わえないのです。

 おいしい料理を目の前に並べられて、ただそれを食べるよりも、材料の仕込みから手間(ひま)かけて苦心して作った料理を、みんなに「おいしい」と言って食べてもらえるほうが、どれほどうれしいか。

 苦しみに体当たりしてこそ活路が開け、そうして体でつかんだ喜びが、苦しむ人を救う力になっていくのです。
人生の応援歌

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