作家( さっけ )      庭野日敬  (1974年、昭和49年)

 禅宗の高僧の方が書かれた本に、「作家」という言葉が出てきました。私たちは作家というと、小説を書く人のことだと思っていますが、禅宗では作家と書いて「さっけ」と読みます。

 これは、口先や頭の中だけで考える偽者の禅者ではなく、本物の禅僧のことをいう言葉だそうです。また、出家して禅僧として修行している人だけではなく、人さまの役に立つ製品を作ろうと努力している技術者も、また、立派な人を育てようと努力している教育者も、さらには、立派な国を作ろうと自分を捨ててがんばっている政治家も、作家というのです。

 そう言えば、禅とはただすわって瞑想(めいそう)することだけをいうのではなく、ひたすら歩くのも禅、ひたすら祈り続けるのも禅、と聞いたことがあります。「随所(ずいしょ)に主となる」ことだといってもいいかもしれません。

 それぞれの場で、それぞれの仕事を通して全力で努力するなかに、禅の心がが発揮されるのであり、そこにこそ禅があるともいえましょう。私たち一人ひとりが作家の自覚に立って、各自の役目を全力で果たすならば、日本は、すばらしい国になりましょう。
人生の応援歌

お話の一覧をフレームで見る
  





















SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送