終わりに残るもの    庭野日敬  (1993年、平成5年)

 内科学の権威である日野原重明(しげあき)先生によると、六十歳で亡くなられた人の脳を開いてみると、ふつうの人なら四分の一、よほど使った人でも、まだ半分しか使っていないということです。半分以上は白紙のままなわけです。

 それをそのまま残したのでは、まことにもったいない。六十を過ぎると「あとは余生」と考える人が多いけれども、とんでもない。まったく新しいことに挑戦する出発の時だという心構えが大事だ、と日野原先生は言われるのです。

 私が、世界宗教者平和会議の実現に取り組み、明るい社会づくり運動を提唱したのは、六十歳を過ぎてからでした。

 ジェラール・シャンドリーという人が、「人の一生の終わりに残るものは、われわれが集めたものではなく、与えたものである。」という言葉を(のこ)されているそうです。

 その人の人生の究極の価値は、がむしゃらになって手に入れた地位でもなければ、財産でもなく、どれだけ人さまに奉仕し、人さまに与え、(のこ)すことができたかで決まるのだ、と言われているのではないでしょうか。
人生の応援歌

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