平和をつくる者     庭野日敬  (1997年、平成9年)

 『聖書』に「平和を実現する人々は(さいわ)いである」という言葉があります。

 平和をつくりだす人とは、どういう人なのでしょうか。ちょっと考えると、争いの心などまるで持たない人でこそ平和を実現でき、そういう人でないと平和はつくれないように考えがちです。
しかし、そういう人は滅多(めった)にいません。

 私たちは互いに、つい言い争ったり、相手を疑ったりしがちで、しかし、だからこそ平和をつくるのにはどれだけの努力が必要か痛感させられて、そのために話し合い、行動するなかで平和のあり方を身につけていくのだと思うのです。そうした平和のための努力を忘れない人、そういう人が平和をつくる人、神の子と呼ばれる人だといっていいでしょう。

 僧伽(サンガ)の修行も同じで、宗教者の集まりというと悟りすました人ばかりでなくてはならないように考えて、わずかな過ちも許さないといった人がいますが、初めからそういう人ばかりというわけにはいきません。うっかりするとつい我欲や怠け心に引きづられる人間が、仏の境地をめざして一つ一つ自分を高めていく場が僧伽(サンガ)です。

 互いに温かく見守り合い、待ってあげる寛容さを持たなくては本物の僧伽(サンガ)になりません。
人生の応援歌

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