不平が自分を苦しめる   庭野日敬  (1991年、平成3年)

 「口は(わざわい)(かど)」といいます。うっかり口にした言葉が、災難の元になるわけです。

懺悔経(さんげきょう)』ともいわれる『仏説観普賢菩薩行法(ぶっせつかんふげんぼさつぎょうほう)経』には、 「舌根(ぜっこん)は五種の 悪口(あっく)不善業(ふぜんごう)(おこ)す」と説かれ、また八正道(はっしょうどう)の「正語(しょうご)」の教えでも、  「妄語(もうご)(嘘)、両舌(りょうぜつ)(二枚舌)、悪口(あっく)(わるぐち)、綺語(きご)(いいかげんな言葉)など、すべて自ら(わざわい)を呼び寄せる元になる」と戒めています。

 とりわけ修行の妨げになるのは、不平を口にすることではないでしょうか。
不平というものは、いったん口から出すと、その言葉によって自分の不平不満が倍にも三倍にもふくれ上がっていきます。そればかりでなく、まわりの人にも悪い影響を及ぼしてしまうのです。自分の口ひとつで、なにもかもつまらないものにしてしまうわけです。これが自ら苦をつくりだす「苦語(くご)」です。

 それとまったく逆に、どんなことにも満足して、それをいつも口に出して言うことにしている、という方がおられました。毎日の奥さんの料理でも、「うまい、うまい」と口に出して言うと不思議においしくなるものだといわれるのです。

 同じ口から、不平の言葉が出るか、感謝の言葉が出るかの違いで、人間関係も環境も、まるで違ったものになってしまいます。 
人生の応援歌

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