まず人さま        庭野日敬  (1980年、昭和55年)

 佼成会を創立したばかりのころは、私はまだ牛乳店をやっていたのですが、朝から晩までご法のことばかりしているものですから、仕事の方は手抜きになってしまい、営業成績はどんどん落ちていってしまいます。

 一家の家計を預かる家内が不安がって、「お父さん。信仰もいいですが、これでは困ります。いいかげんにしてください。」と苦情が出始めます。その家内に、私は「己を無にして人さまのことを考えるのが菩薩行(ぼさつぎょう)というものなのだよ」と言い聞かせるのですが、家内は「あすのお米もないというのに、すこしは家のことも考えてからにしてください」と反論します。そこで私はさらに、家内にこう言って聞かせたものでした。

 「よく考えてごらん。人はみんな自分を第一にして生きているけれども、それでもなかなか思いどおりにいかずに苦しんだり、争ったりしているのだよ。自分中心では決して幸せにはなれないと、みなさんが教えてくださっているのだ。教えどおりに、まず人さまと考えていればなんの心配もいらないのだよ」と。

 それは、いまも少しも変わらぬ私の確信なのです。 
 
人生の応援歌

お話の一覧をフレームで見る
  





































SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送