一ヶ月だけの入会    庭野日敬  (1991年、平成3年)

 お釈迦さまの降誕会(こうたんえ)に、横手教会の教会長さんが、たいへんおもしろい説法をしてくださいました。

 かつて、教会長さんは会社の先輩に佼成会の道場に誘われて入会をすすめられたのですが、道場の会員さんの姿を見て、「世の中には、こんなにだまされやすい人がいるのか」と、あきれてしまったというのです。しかし、日ごろ尊敬している先輩のすすめなので、断わる口実に「一ヶ月だけでやめさせてもらえますか」と条件をつけて、入会したのだそうです。

 ところが、『人間らしく生きる』という私の著書をすすめられて読み、大会で私の説法を聞いてすっかり安心してしまい、一ヶ月経って、先輩から「もう一ヶ月経ったんだから、やめてもいいよ」と言われても、やめるどころか、それから二十数年間"ご法漬け"になって、とうとう教会長のお役をさせてもらうようになったという説法でした。

 道元禅師(どうげんぜんし)は「正師(しょうし)を得ざれば、学ばざるに()かず」とおっしゃっています。

 教えのありがたさは、いっぺんに分かるものではありません。道案内役の私たち一人ひとりが、自ら光を発して道を照らし、案内してあげなくてはならないのです。
 
人生の応援歌

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