仏さまの願いに合わせる    庭野日敬  (1989年、昭和64年)

 一生懸命に信仰しているのに、どうしてこんな苦しい目に()わなくてはならないんだろう、と恨めしく思うことが、だれにもあるのではないでしょうか。この世は苦の娑婆(しゃば)忍土(にんど)ですから、嫌なこと、思いどおりにならないことにぶつからないわけにはいきません。

 しかし、そういう苦しいことにぶつかったとき、私は「これは、仏さまがきっと大きな功徳をくださろうとしているのだ」と考えることにしているのです。すると力がわいてきて、苦が苦でなくなるのです。

 道元禅師(どうげんぜんじ)は「この生死(しょうじ)は、すなわち仏の(おん)いのちなり」と教えておられます。

 私たちが自分の健康、商売繁盛、家内安全を神仏にお願いするのは、よく考えてみると、こちらの願望に仏さまを従わせようとすることにもなりかねません。そうではなく、逆に仏さまの願いに自分を合わせていくのが信仰です。

 この苦しみで、仏さまは何を教えてくださろうとしているのだろうかと思いを()らしていくと、仏さまが私たちを目覚めさせようと心をくだいてくださっているのが、はっきりと身に感じられてきます。そのときにパッと新しい世界が開けてくるのです。
人生の応援歌

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