いつも初めて聞く気持ち   庭野日敬   (1998年、平成10年)

 「同じことを聞いても、いつも初めて聞く気持ちで聞くのが信仰というものだ」と蓮如上人(れんにょしょうにん)は教えておられます。仏道の修行では、同じことを繰り返し繰り返し説き聞かせ、それを繰り返し繰り返し聞く。それが大事な修行なのです。ところが慣れっこになると、「また同じ話しか」とついなおざりな聞き方になりがちです。

 佼成会の法座でも、「自分が変われば相手が変わる」と耳にタコができるほど聞かされますが、一度や二度聞いたくらいではじきに忘れて、自分を棚に上げて、人を責めてしまうのです。

 何度も何度も聞かされて、ようやく「そういうものかもしれないな」と思い、夫婦げんかになりかけたとき、思い切って自分から謝ってみると夫が変わってくれる。そこで「なるほど」と心から納得できるわけです。また、どうしても許せないと恨んでいた相手に自分から思い切って懺悔(さんげ)したら、相手が思いがけない優しさを見せてくれて「これこそどんな相手にも通じる真理だ」と腹の底から信じられるようになっていくのです。

 「また同じ話か」という気持ちで聞いていたのでは、どんな尊い教えも身にしみていきません。
    
人生の応援歌

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