「まず人さま」の心の豊かさ 庭野日敬 (1970年、昭和40年) 佼成会では「まず人さま」と言います。なんでもない簡単なことのようですが、自己中心の今日の社会では、なかなか実行できないことです。 「おれが」「おれが」と、みんなが主張し合うこのせちがらい世の中で、「まず人さま」などと譲っていたら自分ばかりが損をしてしまうとか、自分のことで精いっぱいなのに人さまどころではない、と考えるのがふつうで、「他人よりもまず自分」と考える人のほうが多いのです。ところが、その考え方がじつは自分を不幸にするのです。 「自分が、自分が」という心は自分の心をだんだん細らせていって、いつも不満が絶えません。自分のことはさておいて「まず人さま」と考えられるようになると、心が豊かになって、おのずと心が満ち足りてくるのです。そういう心になると、不思議に人さまが自分の応援をしてくれるようになります。 「豊かな心、明るい社会」という教団スローガンも、心の豊かさを社会全体に広めたいという願いにほかなりません。「人さまのため」という心こそ |
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