すべてを抱える器 庭野日敬 (1994年、平成6年) 大勢の力を集めて事業をやろうとすると、さまざまな誤解や中傷は避けられません。そうして足を引っ張るのは、外の競争相手や敵意を持った人ばかりかと思うと、その元は内部にあることが多いのですね。組織の中にそういう人がいると、「そんな危険な人間は切り捨てなければならん」と考えるのがふつうです。ところがお釈迦さまは、自分に がまんして使ってやる、警戒しながら使っていくというのではありません。そういう人を「自分を大きくしてくれるお師匠さん」と決めてしまうのです。そういう心になると、なぜ身内の人間がそこまで追い詰められてしまったか、考えずにいられなくなってきます。こちらにも反省しなければならないところがあったのではないか、と考えられるようになってきます。これが『法華経』の「 そういう考え方ができるようになると、どんな問題が起ころうと、また、どんな人に対そうと、腹が立たなくなります。 信仰者であることの第一の条件は、どんな人も信じきって、豊かな、ほがらかな気持ちで対せることだと思うのです。 |
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