あるのは今だけ    庭野日敬  (1986年、昭和61年)

 若いうちは、過去のことをくよくよ思いわずらったり、「こんなことをしていて、将来どうなるんだろう」と、まだこない先のことをあれこれ心配し、大事な"今"をむだに過してしまいがちです。こんなもったいないことはありません。

 仏教では「現世実有(げんせじつう)」「過未無体(かみむたい)」と言います。実際に存在するのは現在この瞬間だけで、過去も未来も実在しない。現在を精いっぱい大事に生きることで、過去を生かし、未来を思うままにできるわけです。

 「あんな見る目のない上司のせいで、自分はこんな仕事に回されてしまった」などと不満を言い、目の前の仕事に打ち込もうとしない人がよくいます。それも、今の大切さにまだ気がついていないからです。「私は仏になるためにこの世に生まれてきたんだ。自分に与えられた仕事を通して、人さまのお役に立たせてもらうのだ」と腹がピシッと決まると、はたの目など気にすることはなくなります。

 仏さまは、いつもこっちを向いてご照覧くださっているのだと決めてかかると、精進をしただけのご功徳が、ちゃんと頂戴できるのです。
人生の応援歌

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