法  話    庭野日敬  (『瀉瓶無遺』2005.佼成3月号より)

 の人より私のほうが財産があるから幸せだとか、この人より私のほうがきれいだから幸福だといったような幸福感は、あっというまに消えてしまうものです。
 ほんとうの幸せは、そういう「だれだれさんよりも・・・・・」と比較をする虚栄心(きょえいしん)嫉妬心(しっとしん)を捨てたところにこそ得られるものなのです。


 らわれの心から解放され、ゆとりある感謝の心が得られれば、ものごとが好転し、それなりの功徳が必ず頂けるものです。功徳があるのがあたりまえというより、ほんとうの信仰ならば、功徳がなくてはならないのです。弘法大師(こうぼうだいし)は「どんなに病気や薬草の知識があっても、実際に応病与薬(おうびょうよやく)で人を救わないことには話にならない」といった意味のことを申しておられます。


 分の力で生きていると思っていた人が、じつは生かされて生きている自分であることを知る、これも現世利益(げんぜりやく)なのです。目に見えないご先祖に手を合わせられるようになる、それも現世利益です。お釈迦さまがそのご生涯をかけて布教をつづけられたのも、この現世の四苦八苦から人々を救って、それを契機に仏道を歩み、転迷開悟(てんめいかいご)の人生を送ってもらいたいと願われればこそです。すべての人びとに「(まさ)今世(こんぜ)(おい)(げん)果報(かほう)()」させたいと、お釈迦さまは心から願われているのです。
人生の応援歌

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