ピンチのときこそ大道を    庭野日敬  (1998年、平成10年)

 「行くに(こみち)()らず」という言葉があります。
どんなときも大道(だいどう)をあゆまなければならない。いくら近道に見えても、小道はやがて行きづまってしまう、という意味です。

 大通りが車で渋滞しているからというので細い小路(こみち)に入ったら、抜け道どころか進むことも退くこともできなくなってしまった、ということがよくあります。人生の道も同じです。

 道元(どうげん)禅師に、「道を学ぶ者は自分の解釈を先にしてはならない」というお言葉があります。ふだんは教えを信じて大道をあゆまなくてはならないと努力しているつもりでも、まわりの環境が厳しくなってくると、ついつい迷いが出て、教えどおりやっていたのでは、この競争社会で(おく)れをとって生き残れなくなってしまうと、自分の解釈を優先させてしまうのです。

 いちばん大事なときに自分の利害に引きずられてしまうのが妄想です。
そういうときにこそ、自分の才覚(さいかく)を捨てて仏さまにおまかせしてしまう。それが「不自惜身命(ふじしゃくしんみょう)」なのです。

 自分の利害を離れて仏さまの大道にのっとると、自分を守ってくださっている仏さまの存在が見えてきます。

 難局を迎えたときこそ、小知を捨てて教えと一体になることが大事です。
人生の応援歌

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