それぞれの御役(おんやく)    庭野日敬  (1970年、昭和45年)

 キリスト教では、「神はこの世にむだなもの、不必要なもの、悪なるものは(つく)っておられない」と教えます。仏教でいえば、この世の万物万象は偶然に生じたものはなく、一切のものは、あるべくしてあるものということになりましょう。

 別の言葉でいえば、この世に存在するものはそれぞれ「御役」があるということになります。「この世の中、生きていてもおもしろいことは何もない。死んだほうがましだ」と世をはかなんだり、「自分などいないほうがいいんだ」とひねくれる人がいますが、それがどれほど誤った考え方か分かるはずです。

 『法華経』には、

 「今()三界(さんがい)は皆()(わが)()なり。
 ()の中の衆生(しゅじょう)(ことごと)く是れ()が子なり。
 (しか)も今此の(ところ)(もろもろ)患難(げんなん)多し。
 (ただ)我一人(われいちにん)のみ()救護(くご)()す」
 

 という仏さまのお言葉があります。

 神仏から見れば、かわいくない人間、無用の人間などあるわけがないのです。私たちはつい、「いてもらわなくてはならない人」「いてもらっては困る人」などと人を区別しがちですが、すべての人が"仏の子"であることを、互いにしっかりと心に刻まなくてはなりません。

 自分で自分を「いてもらっては困る人」にしてはならないのです。
人生の応援歌

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