愛情が栄養剤    庭野日敬  (1979年、昭和54年)

 草花や植木にあまり関心のない人に、「昼間は植木鉢を外に出して十分に日を当ててほしい」と頼んでも外に出せば出しっぱなしで、夕方になっても鉢を取り込むのを忘れてしまうといったことになりがちです。

 ところが本当に花の好きな人は、寒い風が吹けばすぐ取り込みますし、光が充分に当たるようにと、鉢をこまめに移動させて愛情こまやかに花を取り扱います。前者と後者では、当然、花の咲き方も、寿命も違ってきます。

 ある雑誌で読んだのですが、西ドイツの二つの孤児院で同じ食事を与えているのに一方の孤児院の子どもの成長が、もう一つの孤児院の子どもに比べてはるかに早い。どうしてそんなに違いが出るのか原因を栄養学者が調査してみたそうです。すると成長が著しいほうの孤児院では、院長さんが子どもたちを我が子のように扱い、鼻水を出している子どもがいればすぐに拭いてあげる。(ひま)があると子どもを自分の(ひざ)に抱いてあげる、といった育て方をしていたことが分かったのです。

 人を育てるのにいちばん大切なものはなんであるのかを教えてくれる好例ではありませんか。
人生の応援歌

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